うんまちゃんが再び行方不明!?
前号でお伝えした通り、うんまちゃんは醤油づくりの職人である佐山幸吉氏から破門されてしまった。そしてなんと、その後のうんまちゃんの足取りがつかめていないということだ。
追いかけていた夢を突然に失うというのは、うんまちゃんにとってもさぞや大きなショックであったろう。うんまちゃんが心配でならない。
お世話になった漁師へ挨拶
わかる限りでうんまちゃんの足取りを追ってみよう。
引導を渡されたうんまちゃんは、銚子に来た当初、迷子になっていたところを助けてもらい、そのまま住まわせてもらっている漁師の家に帰ってきた。そこで、醤油づくりができなくなった旨を伝えたという。
お話しがありやす。
どうしたうんまちゃん?
さっきおっ師さんにインドーをいただきやしたっ!
えっ?破門てこと?うーん、そうかぁ。やっぱりにゃーちゃんには醤油づくりは難しいのかなぁ。
モロミに毛が入るんだとか言ってやした。
それはたしかに無理だなぁ。
それで、うんまはそろそろオイトマをいただこうと思っておりやす。
えー!ずっとうちにいていいんだよ。
そういうわけにはいきやせんっ!ケジメをつけなくっちゃぁいけやせんっ!
寂しくなるなぁ。銚子のみんなが寂しがるよ。
一宿一飯のご恩は決して忘れやせんっ!あーりがとごじゃいましたっ!
うーん、一宿一飯どころかまあけっこう長く泊まってたけどね。
こうして「ケジメ」という言葉を残して、うんまちゃんはお世話になった漁師の家を跡にしたという。
老漁師のもとへ
寝食を提供してくれていた漁師に挨拶を済ませると、今度は尊敬する老漁師の元へ向かったことが判明している。
おー、うんまじゃねぇか。元気にやってんのか?
このとおりピンピンしてやすっ!ところで、うんまは銚子を離れることにしやしたっ!お世話になりやしたっ!
おーそうけ。そいつぁ残念だが仕方ねーさな。
うんまにはおんどれの醤油は作れやせんでしたっ!
やるだけやったんだ、かまやしねぇや。
へいっ!あーりがとごじゃいます。
それで、おめぇはこの後どこに行くんでぇ。
決めておりやせんっ!
ふっふ、突然来て突然いなくなる、おめぇは風みたいなやつだな。
オレは風だっ!風になるっ!
そう言い残して、うんまちゃんは銚子から姿を消してしまった。前に行方不明になったときは、電車で寝ちゃってそのまま銚子に流れ着いたわけだが、今回の場合は自ら姿を消している。「おんどれの醤油を作る」という壮大な夢を失った後である。無茶なことをしでかさなければいいのだが。うんまちゃんの安否が気遣われる。