「あなたの家も狙われている!?」新種の妖怪に注意!
すでに一部のうんたちの間では噂になっているようだが、つい先日、ぬうん通信が新種の妖怪を発見し、それだけでなく直接の接触に成功した。今回のぬうん通信ではその模様についてお伝えしよう。
始まりは一通の封書から…
つい先日のことだ。我々ぬうん通信社の下に一通の封書が届いた。今のご時世、連絡であれタレコミであれ、メールで行われることが多い中、封書を送るというのは重大事に違いない。
急いで中を見ると、とあるうんからのタレコミだった。なんでも、極めて気味の悪い新種の妖怪を目撃した、とのことだった。
ある日、家に帰るとその妖怪が部屋にただ突っ立っていたそうだ。何をするでもなく、目を閉じてただ突っ立っていたのだという。そのうんは、あまりの気味の悪さにそーっと後ずさりしながら自分の家を出て来てしまい、もうまるで戻る気にもならなくなったという。つまり、現在、そのうんの部屋は妖怪に支配されてしまっているのだ。
そのうんは、ぬうん通信に、妖怪の正体と、部屋が今どうなっているのかを確かめて欲しい、という一心で封書をしたためたのだそうだ。
妖怪屋敷へ潜入…
とあるうんからの要請に従って、我々ぬうん通信は伝えられたマンションへと向かった。
ここが封書に書かれていた住所のマンションだ。古そうではあるが、キレイに清掃されている。ここに妖怪がいるようには見えないが…。
そして、ここが噂の部屋である。レールにかけられた傘がなんとも生々しいではないか。
いよいよ我々は預かっていた鍵を差し込み恐る恐る扉を開けた。すると…。
妖怪現る!!
なんと、そこには想像だにつかないほど気味の悪いものが突っ立っていた。これがタレコミのあった妖怪に違いない。一目で妖怪とわかるそのいでたちに固唾を飲む我々であった。
これが見るもおぞましい妖怪の姿である。
目を閉じて寝ているようだ。通報者のうんが初めて目撃してから数日経っているが、ずっとこのままだったのだろうか?
我々はしばらくその妖怪を眺めていたが、全く起きる気配がないので、意を決して話しかけてみることにした。
「あのー、すいません。」
返事はない。
今度は肩を少し叩きながら声をかけた。
「あのー、すいません。」
妖怪の肩に触れた瞬間にねちょっとした触感が指に伝わり、気分が悪くなった。
しかし、さすがに肩に触られて気づいたらしく、妖怪はうっすらと目を開けて、我々の存在を認識したようだ。特に慌てる様子はない。
「実は我々、自宅に妖怪が出てしまった、という通報を受けて駆けつけたんですが。」
なるべく妖怪を刺激しないように低姿勢のまま話しかける。
すると…
「ようかい?いや、知りませんねぇ」
なんと、この妖怪はすっとぼけに入ったのである。
どこからどう見ても妖怪なのにごまかせると思ってるのだろうか。
「ここは、あなたの家ですか?」
「いや、まあ家というか、ネグラというか、なにかとちょうどいい場所なんですよ。」
なんだか要領を得ないことをゴニョゴニョと言っている妖怪。
「さっき寝てましたよね?」
「いや、寝てないですよ。ちょっと考え事ですね。」
もはや間違いようがない、これは妖怪である。我々はもうこみ上げてくる言葉を抑えることができなかった。
「あなた、妖怪ですよね?」
「へ!?あたし!?」
とんでもない妖怪がいたものである。すっとぼけもいいところだ。
この後、ゴニョゴニョ粘る妖怪をなんとか説得して、部屋から追い出すことに成功した。
すっとぼけ妖怪に注意!
封書をくれたうんにすぐに連絡をして、無事に部屋を奪還することに成功した。
しかし、またいつどこの家にこの妖怪が来るかはわからない。今のところ攻撃性や物理的な危険性は感じられないが、とにかく気味の悪い妖怪である。万が一遭遇した場合は、慌てずに冷静に説得することをおすすめする。