うんまちゃんの醤油づくりを支える二大人物インタビュー
現在、醤油工場で修行中のうんまちゃん。 そのうんまちゃんに「銚子に骨をうずめる」とまで言わしめた佐山幸吉氏の本当の想いに迫る。
さらに、その師匠とうんまちゃんを引き合わせた若旦那にも話を聞くことができた。
うんまちゃんのおっ師さん、幸吉氏インタビュー
ぬうん通信から来たうんさっす。よろしくお願いします。
おぉ、よろしく。インタビューなんて慣れてねぇからガラにもなく緊張すらぁ。
師匠ほどの人が緊張したら、自分もちっと緊張するんでリラックスしてほしいっす。
おぉ、なんでも聞いてくんねぇ。
では、さっそくですが、初めてうんまちゃんを見た時はどう思いましたか?
うんまと初めて会ったのはうちの工場の「樽部屋」っつう、醤油を作る時に一番でえじな「もろみ」の熟成をさせる部屋なんでぇ。
いわば醤油づくりの最前線なんすね。
そうなんだよ。ただでさえピリピリしてるところに、見たこともねぇにゃー公が急に現れたもんだからよ、こっちも思わずどなっちまったよ。
ぬうん通信でもその時の様子は報じたっす。うんまちゃんに「きたねぇにゃー公」と言えるのは師匠くらいのもんすね。
思わず口が滑っちまったが、うんまのまっすぐな目を見ているうちに、「こいつの好きなようにさせてやりてぇ」っつう気持ちが強くなってきたなぁ。
うんまちゃんはいつでも一生懸命っすからね。今のところ修行も一生懸命やってますか?
まず、こっちの話したことに大きな声で返事するから気持ちがいいな。それから最高の醤油を作るんだっつう目的意識が強いな。うわごとのように「おんどれが獲った魚・・・」うんぬん言ってるぜ。
修行の調子はどうっすか?
う~ん、熱意は日に日に増していくんだが、説明が長くなると寝ちゃうんだよなぁ。
うんまちゃんもうんの類なんで、そればっかりは仕方ないっすねぇ。
あとは、どうしても、毛がなぁ。
やっぱり入っちゃいますか?
入ってるなぁ。
うーん、どうっすかね?正直なところ、うんまちゃんは醤油づくりをやり遂げられそうっすか?
そのうち、おれから言わなきゃなんねぇな。向き不向きってのがあるってなぁ。でもあのまっすぐな目とスヤスヤの寝顔を見てるとなかなか言い出せねぇんだよなぁ。
師匠ほどの人でも、やっぱりうんまちゃんには骨抜きっすね。今回はどうもありがとうございましたっす。
醤油工場の若旦那、インタビュー
ぬうん通信から来たうんさっす。よろしくお願いします。
よろしくお願いします。
さっそくですが、初めてうんまちゃんがこちらの工場を訪ねて来た時の感想は?
実はあらかじめ、うんまちゃんを家に泊めている漁師の方に話は聞いてまして、「どうしても醤油工場に行きたいと言って聞かない。あんたの方から断ってくれれば諦めもつくだろうから、悪いけど断ってやってくれ」と言われていました。でも、実際にうんまちゃんが来て気持ちが変わりました。
若旦那の気持ちを変えたのは何だったんすか?
一言で言えば、うんまちゃんの一生懸命さでしょうね。うんまちゃんのちっちゃなからだ全体から、醤油を作りたいという想いが伝わってきました。
うんまちゃんはすぐその気になっちゃいますからね。
父が樽部屋に外部の人を入れるのを嫌がるのは知っていましたし、ましてや今回は人ではなくにゃーちゃんですから、迷いもありましたけど、気が付いたら案内してました。
しかも、ただのにゃーちゃんじゃなくて、にゃーちゃ系のうんっすからね。
でもすぐに父もうんまちゃんを認めて弟子にしたようなので安心しましたよ。
若旦那から見て、うんまちゃんの修行の様子はどうっすか?
う~ん、様子を見に行くと、いつも毛布をかけてもらって寝ちゃってるんですよねぇ。あとは、樽部屋に毛が舞っているのが気になります。
やっぱり、毛っすよねぇ。
でも、私はうんまちゃんに最も大切なことを教えてもらったんですよ。
それはいったい何っすか?
うんまちゃんみたいなにゃーちゃんですら真剣に醤油づくりをやろうとしているのに、醤油づくりの職人の息子として生まれてきた自分は早々に醤油づくりを諦めて、「経営に専念」なんて逃げ口上を打っている始末。もう一度、一から醤油づくりを学ぼうという気にさせられましたよ。
それはよかったっすね。
うんまちゃんにはいくら感謝してもしきれません。
うんまちゃんの今後について
お二人から話を聞く限り、幸か不幸かどうやらうんまちゃんは醤油づくりには向いていないようだ。もちろん、誰もがうんまちゃんの追いかける夢を応援したい気持ちはあるだろう。しかし同様に、もううんまちゃんのステージが観られないと考えると、残念でならない気持ちもある。
今後のうんまちゃんがどういう道を進むのかはまだわからないが、うんまちゃんの一生懸命さが一つの醤油工場を動かし、一人の青年の心に火をつけたことは間違いがない。