うんまちゃん醤油づくり最終章
うんまちゃんの才能について
昨日のぬうん通信では、醤油工場の幸吉氏と若旦那へのインタビューをお伝えした。その中で、二人ともうんまちゃんの醤油づくりの才能について言及した。やはり、うん特有の「小難しい話になると寝ちゃう性質」と、にゃーちゃんならではの毛が、醤油づくりの大きな壁となっている、という。
幸吉氏は、うんまちゃんの今後について問われると、向き不向きがあるということをうんまちゃんに告げなくてはいけない、と言っていた。今回のぬうん通信では、幸吉氏にとってもうんまちゃんにとっても厳しいひとつの決断について報じる。
幸吉氏、苦渋の決断!
昨日掲載したインタビューの数日後、幸吉氏はうんまちゃんを自室に呼び出して、話を始めた。
おっ師さん!お呼びでしょうか!
おぉ、うんま、来たか。まあそこに座れ。
座布団いただきやすっ!
今日は大事な話をしなくちゃなんねぇ。おめぇにとってもおれにとってもつらい話になるかもしれん。
へぃっ!なんでごじゃいましょ!
おめぇが修行を始めてしばらくになるが、そろそろ醤油の作り方は覚えたな。
あの~、え~とぉ、わからないわけじゃないんだけどぉ・・・。
覚えてねぇんだな。仕方ねぇさなぁ。おめぇは作り方の話になると寝ちゃうんだからなぁ。
かたじけないっ!
醤油の作り方を知らないんじゃぁ、醤油は作れんのはわかるな?
わかりやすっ!
ときにうんま、おめぇの座ってる座布団を見てみな。何か付いてねぇか?
うんまの毛がたくさんついてますっ!
おめぇはにゃー公だからよ、どうしたって毛が落ちるんだよ。工場にもたくさん落ちてるし、樽んなかにも入ってる。
かたじけないっ!
毛の入った醤油が奇跡の一滴になると思うか?
なりやせんっ!
そういうことだ、うんま。おれもおめぇの願いを叶えてやりてぇが、世の中にはできることとできないことがあるってもんだ。わかってくれ、うんま。
そ、それは!破門てことですかいっ!?
うんま、おめぇなら別の道で成功すらぁ。おめぇのまっすぐさ、おらぁそれが気に入ってるんでぇ。そのまっすぐさがあればなんでもできるってもんだ。だから、おれが直々におめぇに引導を渡す。おめぇは別の道を行け。
えぇーーー!うそでしょぉぉーーーー!そんなことってあるぅぅーーーー!?
驚くのも無理はねぇさなぁ。
おっ師さん、あーりがとうごじゃいますっ!すぐにはあきらめきれませんが、おっ師さんに渡されたインドーは一生大切にしていきます!お世話になりやしたっ!
うんま・・・・。
うんまちゃんに「引導」の意味がわかったとは思えないが、幸吉氏の真剣な様子からも何かを感じ取ったのだろう。 うんまちゃんは言い訳を言うことも、破門しないで欲しいとすがりつくこともなく、すっぱりと醤油工場を後にしたという。
うんまちゃんに落ち込む姿は似つかわしくないが、今回ばかりはつらい状況になってしまった。うんまちゃんと言えども、ショックは大きいだろう。うんまちゃんの精神状態が気にかかる。