【ケモノを知る】
近年、うんたちの中で愛好の対象となるケモノの幅が広がりつつある。あるうんは今まで注目することのなかった鳥の類を愛でるようになり、スズメが肩に乗る日を夢見る程である。
このようなケモノ再発見の流れに沿った新企画が誕生した。その名も「うんのためのケモノ図鑑」である。
ワクワクのシリーズ第一弾をとくとご覧あれ。
【うんのためのケモノ図鑑① 「海獣判別」の巻】
ケモノの中で最も雑に扱われていると言えるのが海に暮らす海獣たちである。
我々うんたちのほとんどは、アシカ、アザラシ、オットセイ、セイウチ、トド、オタリアの違いを明確に示すことができないだろう。
うん豊に間違われたうんが戸惑いを隠せないように、海獣たちも間違った名で呼ばれることを快く思わないに違いない。それぞれのうんが海獣たちをつぶさに判別する能力を身につける必要があるのだ。
そこで、ここに海獣たちの判別の手順を記しておこう。
手順① 「牙があるか?」
・ある → セイウチ確定!
・ない → 手順②へ
牙があって巨体をうならせていればセイウチである。ご覧の通りあまりかわいくないので、基本的に無視してかまわない。
手順② 「 脚に関節があるか?」
・ある → 手順③へ
・ない → アザラシ確定!
前脚、後ろ脚ともに短く、立ち上がれるような関節を持たないのはアザラシである。陸上では常に寝そべっており、 打ち捨てられたように這って移動することから、「野ざらしアザラシ」と覚えておこう。
なお、残りのアシカ、オットセイ、トド、オタリアの4種は、みな同じ「アシカ科」の仲間だ。「アシカ科」は前脚を支えとして上半身を起こすこともできるし、後ろ脚を立てて陸上を歩くこともできる。「あしがあるのがアシカ科かぁ」と覚えておくとよい。
手順③ 「鼻先が丸いかどうか?」
・丸い → オタリア確定!
・長い → 手順④へ
ここからが判別の腕が問われるところである。しっかりと手順を身につけておこう。
オタリアは、アシカ科の中でも鼻先が丸っこく、顔全体がふっくらしている印象だ。下ぶくれしたオタフクのように丸顔なので、「オタフク顔のオタリア」と覚えておくのが吉。
手順④ 「耳が長いかどうか?」
・長い → オットセイ確定!
・普通 → 手順⑤へ
耳が長く、他のアシカ科と比べると体表に毛が多いのがオットセイである。耳が大きくちょっとした声も聞こえることから、「おっと!say?今わたしの悪口ゆってたでしょう!」と覚えるしかない。
手順⑤ 「かわいらしいかどうか?」
・かわいくない → トド確定!(残念・・・)
・かわいらしい → アシカ確定!(おめでとう!)
いよいよ最後の判別である。
トドはアシカの中でも体が大きく、顔は童顔で愛らしいのに、それに似つかわしくない巨体を備えていてどことなく気色が悪い。「トドろく巨体!かわいくないトド」で覚えずにはいられない。
他方、アシカはかわいらしいアシカのイメージそのままで、「ザ・アシカ」である。結局のところ、「アシカかと思ったらやっぱりアシカだった」で片がつくのがアシカである。「あぁしっかりかわいいアシカちゃん」で覚える他あるまい。
冒頭の写真の答えは?
改めて冒頭の写真を見てみよう。
さあ、この写真のケモノは果たして何者なのか?答えは・・・
①牙がない
②上半身を起こす脚がある
③鼻先が長い
④耳は普通
⑤かわいい
ということで、
「アシカかなぁ」と思った読者のみなさん、やっぱり、
アシカでした!
まとめ
アシカ科4種をいかに見極められるかどうかが勝負の分かれ目である。海獣判別に絶対の自信を持っているのが真のうんだ!